刑事司法を改革せよ<その6>「兵庫少女違法勾留事件」ー 裁判官訴追委員会への「罷免の請求」

現行法の枠内で裁判官に対し、主権者たる国民が起こせる具体的行動は、裁判官弾劾法第15条に則った、裁判官訴追委員会への「罷免の請求」で、国会に常設されている「裁判官訴追委員会」( 衆議院議員10名、参議院議員10名)に対し、「人道に反する著しい職務怠慢」として、特定の裁判官の罷免を求める請求を出すことができる。個人で1通送るだけでも合法な手続きとして受理され、委員会で必ず審査される。

該当する裁判官の実名を確認する方法

今回の事案において、2回目の勾留延長請求を却下した令状判事の決定を覆し、最終的に拘束を長引かせた(準抗告を認めた)3人の裁判官(合議体)の名前を特定するための手順は以下のようになる。
(裁判官名はインターネットでの「裁判官検索」や弁護士有志が運営するサイト等でも検索できる。照合に使うとよい。)

方法1>:母親の弁護団(代理人弁護士)に問い合わせる(裁判中なので、代理人弁護士がすべての事件記録を持っている)
方法2>:神戸地方裁判所に「事件記録の閲覧」を申請する
刑事訴訟法に基づき、裁判の記録は原則として公開されている。
確認の手順:神戸地方裁判所の事務局(刑事確定起訴係など)へ行き、事件を特定して「事件記録(勾留延長の準抗告決定書)」の閲覧を請求する。/必要な情報:事件があった時期(2025年6月〜7月)、場所(明石署管内・神戸地裁)、容疑(暴行容疑)
決定書の末尾に、その判断を下した裁判長および裁判官2人の計3人の実名が必ず署名(または記名押印)されている
注意点:不起訴で終わった刑事事件の記録は、第三者への開示制限が厳しくなる場合があるため、閲覧理由を「罷免訴追請求のため」と明確に伝える必要がある。

もし、どうしても3人全員の正確な実名が分からない場合

裁判官罷免訴追請求書は、氏名が不明であっても「担当部署と時期」で人物を特定して提出することが可能です。
書き方の例:「被請求人:2025年7月初旬、暴行容疑で逮捕・勾留されていた少女に対する検察官の勾留延長請求却下判決に対し、検察側の準抗告を認めて勾留延長を決定した、神戸地方裁判所刑事部の裁判官3名(裁判長および陪席裁判官2名)」このように記載して提出すれば、裁判官訴追委員会側が職権で「その決定を下した裁判官は誰か」を裁判所に照会、特定して審査を進める

1. 請求の基本ルール

費用:無料(書類の郵送料のみ)
提出先:国会内にある「裁判官訴追委員会事務局
提出方法:郵送(または事務局へ直接持参)

2. 「裁判官罷免訴追請求書」の書き方

用紙(便せん)に関する推奨ルール
サイズ: A4サイズ(できるだけA4を使用するよう指定されています)
余白: ファイルに綴じて保管するため、左側に3cmほどの余白をあけて書きます。
判読性: 文字が潰れて読めないものは「受理できない」と明記されています。パソコンで作成して印刷するか、手書きならハッキリと丁寧な字で書く必要があります。

形式的な不備で却下されないよう、以下の通りに記述する。

① 宛先と日付・住所・氏名・電話番号

宛先:裁判官訴追委員会委員長 殿
提出日:令和〇〇年〇月〇日
あなたの住所・氏名(自署または捺印)・電話番号

② 被請求人(辞めさせたい裁判官)

今回のケースに該当する裁判官の情報を正確に記載します。

所属裁判所:神戸地方裁判所
官職・氏名:〇〇 〇〇(※令状や勾留延長の決定書に記載されている、担当した3人の裁判官の実名)※裁判官名の調べ方参照

③ 訴追を請求する事由

裁判官弾劾法第2条に基づき、罷免すべき理由を具体的に記載します。

(今回の事案では、以下の文脈を盛り込むのが効果的)
・「職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠つたとき(弾劾法第2条1号)」への該当性を主張する
・具体的な記述例:「被請求人(裁判官名)は、当時16歳の未成年である被疑者に対し、逃亡や証拠隠滅の恐れがないにもかかわらず、客観的証拠の審査を怠り、漫然と勾留延長および接見禁止の決定を下した。これは、少年法が求める未成年者への特別な配慮義務を著しく怠ったものである。さらに、密室での過酷な取り調べや、それによる被疑者の急激な衰弱(体重激減)という重大な人権侵害を見過ごし、身体拘束を維持し続けた。この著しい職務怠慢と形式的な書面処理は、裁判官としての資質を著しく欠いており、個人の尊厳を蹂躙した責任は極めて重い。よって、同判事の罷免を求める。」

3. 提出の流れ

⑴ 書類の作成:上記の通りに作成した「請求書」を用意します。
⑵ 証拠の添付(あれば尚良い):新聞記事のコピーや、遺族の記者会見の報道、事件の概要がわかる資料などを同封すると、委員会側が事案を把握しやすくなり、審査がスムーズになります。
⑶ 郵送:以下の住所へ「書留」などの記録が残る方法で郵送します

【送り先】
〒100-0014
東京都千代田区永田町1丁目11-1(衆議院第二別館内)
裁判官訴追委員会事務局 宛


(付)担当検事の懲戒処分を求める「請願書」の提出

担当検事に対しては、罷免請求はできないが、懲戒処分を求める「請願書(憲法第16条に基づく権利)」の提出は可能だ。

法務大臣に対する「国家公務員法に基づく懲戒」の請願:検察官の行為が「職務上の義務違反(違法な取り調べなど)」に当たる場合、任命権者である法務大臣や内閣に対して、懲戒処分を求める「請願書(憲法第16条に基づく権利)」を提出することは誰でも可能で、基本的人権(請願権)に基づいた行動となる。請願書を、法務省の窓口に郵送や持参で提出すれば、法的に正式な「請願」として受理され、請願法に基づき、役所はこれを受け取らなければならない。